世界一周の反対語は「育児」である
その昔、マザー・テレサが言った。
「愛情の反対語は、無関心です」
、、、深い!
では、世界一周の反対語は何だろうか。
家でひきこもり?
いやいや違う。「育児」である。
そう思ったのは世界一周と育児のどっちが楽しいか?と考えていた時のこと。
うーん、これはどうやら反対だぞ!
世界一周の楽しさ
世界一周は楽しい。
旅自体が楽しいのもあるけれども、とにかく「時間」がたくさんある。
社会人の長い休みって7連休とか10連休だと思うけど、なにせ365連休だ。
今日何をするのか。何を食べ、どこで寝るのか。明日はどこにいるのか。誰と出会うのか。
普通に暮らしていればある程度予測出来ることも、旅中は全く予想が出来ない。
旅は究極の自由といえる。
知らない街を歩いて、知らない人と出会って。
知らない食べ物を食べて、知らない文化に触れて。
一人寂しく本を読んで。うるさくて眠れない相部屋で寝て。
起きると知らない人がいて。会話をして一緒に出かけて仲良くなって。
格好はどんどん汚くなって。食べ物も適当になって。酒ばかり飲んで。
暇だからなんとなくスキューバダイビングのライセンスとたり、よくわからない山を登ったりもした。
旅をしていた時、なんとなくマトモな未来は待っていないだろうな、と思った。
こんなひどい生き方をしていて、日本でまたまともに暮らそうなんて、おこがましい。
ふと将来の事が不安になる。
帰ってから日本で仕事はあるのだろうか。結婚出来るかな。仕事がなければ結婚なんて無理だろうな。親を悲しませるのは嫌だな。どんなキツくても給料安くてもちゃんと働こう。結婚はまあ、したいけど、難しいかもな。子供は今は想像出来ないけど無理だろうな。だっておれは凡人だし。特別スキルがあるわけでもないし。とりあえず、最低でも親に迷惑はかけないように生きていこう。
そんなことを考えていた。
世界一周は、全ての責任から逃れることだと思う。
旅人なんて聞こえはいいけども浮浪者だし、社会のなんの役にも立っていない。
だけど
それが何だというのだろう?
楽しい。とても楽しい。
自分の人生なのだから、自由に生きて何が悪い。
体中が、細胞が喜んでいるのがわかる瞬間がある。
人は、社会の為に生まれてきたわけじゃない。
自分の為に生きるんだ。
自分の人生を生きる為の最高の方法が、
「世界一周」だ。
世界一周の辛さ
世界一周は楽しいと言ったけれども、楽しい事ばかりではない。
だいたいの時間は一人だし、寂しい。
「しなければいけないこと」がなにもないというのは、それこそが自由なのだけど、これがずっと続くとなかなかに辛い。
友人達が真面目に働いて色々身につけているのに、自分は何をやってるんだろう?
詐欺師とか嫌な奴にも会う。
心が疲弊する。
そんな日にシャワーが水しか出ない。
おれは、なにをやっているのだろう。
楽しい事がたくさんあるからこそ、その反動も大きい。
育児の楽しさ
そして、育児。
考え方として正しいかはわからないけど、
人間の子供を育てる、なんて超面白い趣味だと思う。
植物を育てたりするより明らかに面白い。
かかるお金もリスクも半端ないけど、子供がすごい有名人になるかも知れないし、お金持ちになるかも知れない。
まだ赤ちゃんだから話せたりはしないけど、こっち見て笑ったりしたらもう死ぬほどかわいいしめちゃめちゃ幸せな気分になる。
家の中が明るくなる。
子供が出来ると家の中がとても価値のある時間になる。
毎日、とても早いスピードで成長していく。
これから何を教えよう。どんな子に育てよう。
この子とどこに行き、何を見よう。
自分にとっては長い人生の1日だけど、この子にとっては人生の100分の1以上の長い長い1日だ。
体がどんどん大きくなる。
目を離したら見逃してしまうほどのスピードで。
いろいろな事が、子供優先になる。
自分の中心が、自分ではなくなっていく。
子育ての辛さ
育児は楽しい。
その代わり、自由を失う。
気軽に飲みにも行けないし、映画にも行けないし、ロックフェスにも行けない。
1人旅なんてもってのほかだ。
育児は、責任が伴う。
ご飯をあげないと死んでしまうし、ちゃんと教育も与えなければならない。
毎日お風呂に入れて、ミルクをあげて、抱っこしてあげなければならない。
とてもか弱い存在で、抱っこから落としたら死んでしまうのではないかと思うほどか弱い。
寝息が静かすぎて、ちゃんと息してるのか心配になる。
疲れているときに世話をするのはしんどい時がある。
お母さんはさらに大変だ。
夜も授乳しなければならないからあまり眠れないし、赤ちゃんにつきっきりになってしまう。
子供が生まれた瞬間からお母さんになり、お母さんに休みはない。
まとめ
世界一周は究極に自分を楽しむことで、
育児は究極に他人を楽しむことだ。
本当の意味での楽しい事とは、
めちゃくちゃに心が揺さぶられることだ。
辛いことがある分、楽しい時は死ぬほど楽しい。
穏やかな幸せも、とても幸せだけど、やっぱり心が踊る瞬間が欲しい。
日本で家庭を持って、世界一周より自分を楽しむのは、なかなか難しい。
だが愛する嫁と子育ては、大変だけどその分楽しい。
子育てしないで夫婦で暮らす楽しさもあると思う。
その二人でしかたどり着けない楽しさもあるだろう。
子供をもつよりも深くお互いを理解できるかもしれない。
「楽しい」にどちらが1番とか2番はなくて、ただ違う楽しさがあるだけだ。
これからも、ただ楽しく生きていきたい、と思った。